ペトロフ社の歴史
ペトロフ社のいま
弊社で輸入販売するペトロフは、音楽の国チェコが誇る老舗ピアノブランド。
手頃な価格で入手できる良質な楽器として、本場ヨーロッパでは高い評価を受けています。
その特長を一言で形容するならば、“温もり”。
我々が忘れかけている懐かしさを刺激する、味わい深きピアノといえるでしょう。
音を響かせる響鳴板には、森林資源に恵まれたチェコの山中で採れるボヘミアン・スプルース。
ヴァイオリンにも使用される木材は、歌声のような艶やかで優しいサウンドを奏でます。
タッチ感をつくる鍵盤とアクションの性能も、ペトロフ社が国家の管理下にあった2000年頃までの製品と比べて、物流の自由化により飛躍的な進化を遂げました。
現在はドイツのアクションメーカーRENNER社を主とした質の高い部品や優れた技術を積極的に導入。
演奏者の気持ちを表現してくれるデリケートな弾き心地を実現しています。
消費者にとって快適な楽器であることはもちろん、技術者の間でもコストパフォーマンスの優れたピアノとして、そのスタイリッシュなデザイン&カラーと相まって近年日本でも注目度が増しています。
昔ながらの工作機械を使い、職人による手作業の要素がいまだ残るため、ペトロフには個体差があるといった批評もありますが、それこそペトロフが楽器である何よりの証です。
なぜなら、それは工業的な大量生産のピアノとは違うという裏返し。
同じモノがひとつとして存在しない“個性”、それもまたペトロフの魅力となります。
輸入した後に手間をかけてプレップアップ(出荷調整)を行えば、個体差への対応は可能。
それだけのポテンシャルを秘めた楽器であると弊社は確信しています。
丁寧に調整するか否かで、これほど印象が変わる楽器は珍しいかもしれません。
響板のシーズニング、ボディの組立、鍵盤の加工、巻線の制作、塗装作業、アクション組立、最終調整。
各々の製造工程に今も変わらないクラフトマンシップが息づいているペトロフ。
そんなチェコの人達による手作業の積み重ねが、ピアノに独特の“温かさ”を宿します。
作り手も使い手も、行き着くところはヒト。そこには機械に代替できないココロがあります。
ペトロフのモノづくりは、今も昔もチェコ人の惜しみない手間によって支えられています。
ペトロフ社の歴史
1880 - ハンガリーに子会社を設立
1881 - 鍵盤、アクションの自社生産を開始
1883 - アップライトピアノ製品を発表
1895 - 製品の輸出を開始。ウィーンに卸店とサービスセンター設立。
1899 - オーストリー=ハンガリー帝国皇帝より宮廷ピアノビルダーに任命。その地位は息子達に引き継がれる。
1915 - アントニン・ペトロフ没。戦争を経てヴラディーミルが経営に携わる。
1924 - 日本、中国、オーストラリア、南米へピアノを輸出
1928 - ロンドンのウィグモア通りにてペトロフ社とスタインウェイ社のピアノを扱う子会社をオープン。第3世代ディミトリ、エドワード、ユージンに経営体制がシフト
1954 - アップライト・グランドピアノの開発部門を設立
1958 - 管楽器の生産中止。ペトロフのフルコンサートモデルがブリュッセルの博覧会で金賞受賞
1994 - チェコ最大の実験スペースを備えた近代的な研究所をオープン
1997 - フラデツ・クラーロヴェーにピアノ工場を設立
1998 - ペトロフ社の民営化が完了
1999 - 創業135周年を迎える
2003 - マグネットを利用した独自のアクション(MAA)で特許取得.
2004 - ドイツ・フランクフルトでMAAアクション仕様モデル発表。140周年を迎えて5代目スザンナ・ペトロフ社長就任。アップライト、グランドピアノの自社製アクションをリニューアル。※MAAモデルは受注生産
2006 - P210 Pasat 、PⅣ を含めた5つのグランドモデルを生産
2007 - ヨーロッパ製品のみに与えられるヨーロピアン・エクセレンス(EEX)に認定。P194 Storm 誕生
2008 - ペトロフUSAがオープン。P237 Monsoon、P173 Breeze、P159 Bora 誕生